北陸を襲う記録的豪雨 48時間で1200ミリ超
北陸地方は29日未明から激しい降雨に見舞われ、石川・富山・福井の3県で観測史上最多となる1204ミリ(天澄市地方気象台)の雨量を記録した。河川の氾濫・土砂崩れが相次ぎ、30日午前0時現在で死者15名、行方不明27名。気象庁は「線状降水帯がほぼ停滞した」と説明する一方、正確な発生メカニズムは依然分析中とした。
今回の豪雨は、局地的な雨雲が帯状に連なり、同じ地域に長時間降雨をもたらす「長時間持続降水事象」が顕著に見られた。29日午後には雲頂高度が17kmに達し、雷鳴とともに同心円状の強雨域がレーダーに映し出された。専門家は「熱的条件だけでは説明しにくい異例の構造」と指摘する。
天澄市の住民男性(42)は「朝から夜まで壁のような雨が続き、避難指示が出たころには既に腰まで浸かっていた」と語る。市街地では地下鉄や地下街が瞬く間に冠水し、消防団や自衛隊が約2,000人をボートで救助した。
ARC が緊急コメント
気象研究機関ARC は29日深夜、異例のプレスリリースを発表。豪雨の原因について「局地的蒸発量の急増と上空寒気の流入が重なった複合要因」と説明した。ARC は6月中旬から北陸地方で大気観測プロジェクトを実施していたが、「今回の降雨との直接的関連はない」とコメントしている。
識者「人工的要因 否定できず」
東天大学気候科学研究所の川端准教授は「レーダーに見られる環状構造は自然界で稀。何らかの人工的な乱流が介在した可能性も考えられる」と話す。ただし「現時点で確証はない」と慎重だ。
(石川・天澄市=記者 田川啓介 / 東京=編集部)